NOKの年収と福利厚生

<年齢別/役職別 NOKの年収>

・20代前半:350~450万円
・20代後半:450~550万円
・30代前半:550~700万円
・30代後半:700~850万円
・課長職(主事):1000万円~
・部長職:1300万円~

NOKは、給料に関しては世間一般より高く、会社全体の平均年収は700万円を超える。役職別にざっくり言えば平社員で400~600万円、役職(主任など)がついて650万円を超えるイメージ。管理職になれば年収は1000万円を超える。

賞与(ボーナス)は、業績が悪くなければ平社員で年間5~6ヵ月前後、管理職になれば8ヵ月以上が支給される。メーカーの中では比較的高い給与水準であり、一般従業員は残業代も申請すれば全て付く。1人当たりの仕事量は同規模の企業に比べれば少なく、過労死するほど働かされている社員は存在しない。同じくらいの年収の会社に勤めるのであれば、時間当たりの給料はかなり多いと言える。会社の知名度は低いが給与は高く、離職率は低く、NOKが隠れたホワイト企業と呼ばれる所以であろう。

若いうちは、年収に差がつかない為、出世争いなど醜い闘争は社内では見られない点もNOKの良い所。同期社員は仲が良い。上位完成車メーカー(トヨタ、ホンダ、日産)や上位部品メーカー(デンソー)と比べると劣ってしまうが、定年まで真面目に勤め上げれば世間的には高い恵まれた生涯賃金になることは間違いない。

<役職制度の特徴>

管理職を目指す人が認識しておくべきことは、管理職の役職は組織再編や人事異動に伴ってはく奪されることがあるということ。昇進しても転勤で役職が外れ、ただの「主事」に戻る人が相当数いる。肩書が外れる=戦力外と考える人には辛いかもしれない。あくまで役職はただの名ばかり程度であると考えた方が良い。

基本的に年功序列の会社であり、役職がついても一気に年収が跳ね上がることはない。そのためスピード出世して一気に給料が上がることを期待している人には向いていない

<手厚い住宅補助制度>

住宅補助は手厚く一通り揃っているが、本人のステータスによって大きく充実度が変わってくるので注意が必要。

30歳未満の独身者と既婚者には非常に手厚く、住宅費の負担は月1-2万円程度となるため、貯蓄が非常にしやすい。30歳の誕生日を迎えるまでは独身寮(新しくはない)に入れ、光熱費もほとんどかからない。一方、30歳以上の独身者については、住宅関連の補助が皆無なため、前述の若年独身者・既婚者に比べ、可処分所得が大幅に減少し、生活は厳しくなる。

一方、結婚するとかなりいい条件で広めの社宅(賃貸)に入居できるなど待遇は非常に良い。原則15年2,000円/月で住め、転勤するごとに5年入居年数が増加される。30歳を機に、結婚を宣言して婚活を始める男性社員は多い。

地域によって給与格差がほぼないため、本社(東京都港区)勤務の場合は待遇の差に不公平感がある。

<充実の教育・研修制度>

「新入社員研修」は3か月~半年程度の期間実施され、社会人とマナーや法令遵守の講義、工場実習などの体験学習が行われる。その後は、配属職種に応じて設計実習などが行われ、内容は非常に充実している。

語学を伸ばしたい場合、海外部門の第一線で活躍できる人材を育成することを目的とした「国際化人材育成制度」があり、アメリカ・中国・タイなどの語学研修機関・大学等において半年から1年間の語学研修を受けることができる。研修終了後には、原則としてNOKグループの海外拠点、または国内の海外関連部門での勤務に就くことが前提となっているが、意欲のある若手社員にとっては、社費で留学できるため人気の制度となっている。

<その他の福利厚生制度>

社内預金制度は社内預金で500万円まで金利5%と、今の銀行預金では考えられないような利率で、社員のほとんどが利用している。自社株制度(持株会)も充実。共済制度もあり、共済をうまく利用すれば保険も安く抑えることができる。

保養制度では、該当するホテル・旅館等に格安の料金で宿泊することが可能。その他出張手当や親睦会費など目に見えづらい部分の手当てや費用補助はかなり厚い。経費がガバガバだという指摘すらある。

 

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NOKの社風

<社風>

NOKの社風を一言でいうならば、とても日本的と言える。社内には穏やかな人が非常に多くピリピリしている人は少ない。新卒採用者の割合が多いが、中途採用者もいる。穏やかな社風の要因は、シェアの高い安定したビジネスがあること。長年培ってきた顧客に対する信頼があるので長期的に安定している。

悪い点は変化のスピードが遅いこと。歴史がある企業なので既存の社員の考え方があまり変わることがない。何か革新的なことも起こらない。業界内ではある程度知名度があるが、一般にはあまり知られていない。能力がなくても解雇されることがないので長期間安定して働きたい人には向いている。

昔ながらの総合職と一般職採用に分かれており、一般職事務職は女性のみで定型的作業を前提として転勤が通える範囲以外はない。

製造現場では事務職も関係なく、毎朝ラジオ体操が義務付けられおり、大きな集まりでは社歌を歌うことがある。どの事業所でも随所に喫煙所があるため、喫煙者が多い。社員食堂のある事業所(主に地方の工場)は3食格安で利用できるので、食費をかなり安く押さえられるメリットがある。

<年功序列>

成果主義を主張しているが、実態はほぼ年功序列で給料も横並び。良くも悪くも平等主義。向上心が強い人より、安定思考、何でもほどほどに、という考えの人にぴったりの企業。入社すると一からきっちり教育してくれるので、若手社員の離職率は低い。年度によっては、新入社員の3年後の離職率が0%の年もある。離職率の高いブラック企業とは対極の位置にある会社。

大卒であれば、仕事ができても出来なくても、一担当からスタートして役職がつくまでは同期は皆同じタイミングで昇格する。いくら忙しく働いても、定時退社ばかりしても、評価は変わらず、むしろ難しいことにチャレンジするよりも、そうでない仕事を淡々と丁寧にこなす方が評価されやすい。失敗を恐れずに新しいことにチャレンジしたいというような人には辛い環境かもしれない。一部激務のポジションもあるが、概ね年齢が上がるにつれてのんびりした環境になっていく。尊敬するに値する先輩・上司は多いが、その逆もまた多い。

文系はジョブローテーションも無い為、一度不本意で就いた職種から変更することはほとんど不可能。それ故、一度就いた職種が自分に合っていれば、問題を起こさない限りずっとその職種で仕事を続けることが出来る。

<終身雇用>

基本的に定年までの勤務を前提とした採用・育成をしている典型的な終身雇用、年功序列制の会社。外資系とは対局の位置にある。在籍期間が長いほど給与は高くなる。

人間尊重をうたっており、従業員を非常に大事にしている。リストラはしたことがない。犯罪を起こさない限りは解雇されることがないからか、文字通り全く仕事をしていない人が社内に見受けられ、そのぶんのしわ寄せは優秀な人間と若手にいっている。一生安定して過ごしたい人には、とてもよい企業。ただし、グループ会社・事業部によって、風土は大分違う。

クビなることはないと言っても、ある程度の年齢になったらグループ子会社(イーグル工業やユニマテック、NOKエストラマー、NOK販売商社等)へ出向する社員がいることは、他の会社と変わりがない。

<同族経営>

この規模の上場会社には珍しい同族経営であり、会長一族が支配しているといって間違いないが、経営方針はいたって無難。社長の在籍期間が長いため、会社の経営方針についてのブレが良くも悪くもあまりないのが特徴。安定株主多く、株価の上下にピリピリしている感じもしない。なお、本社は鶴氏一族の巣窟になっている。

<トップダウン>

トップダウン型の企業文化。組織体制は、本部・室・事業部に分かれており、組織毎にカラーが異なる。各組織のトップは、自らの意向に沿う者を部・課長に配置し、結果としてトップダウン型の傾向が更に強くなる。人ありきの組織変更も散見され、組織の効率化からはかなり遠い位置にいる印象。基本的には上から言われたことだけやっていれば問題なく仕事が終わる。とは言え、自分自身が声を上げれば新しい仕事を任せてくれる文化はある。

各組織間の人事異動は活発ではなく、若手は最初に配属された組織・勤務地で長く実務経験を積むため、他の組織の仕事を知る機会が少ない。各組織のトップ同士の結びつきも弱いため、風通しはあまりよくない。

<縦割り組織>

組織体制としては、本部、室、事業部と分かれている。各事業部の独立性が非常に高く、事業部ごとの連携は非常に少ない。各拠点間でもほとんど交流は無く(驚くことに上流と下流の関係であるはずの技術本部と事業部との間にも)、技術系は最初に配属された事業部から他の拠点への異動はまずない。そのため同じ会社の同じ建屋にいてもお互いに何をしているのか全く分からない。

<安定>

代表的なオイルシール、パッキン等のシール製品だけではなく、工業用ゴム、樹脂製品、防振防音製品等でのトップシェアの部品を製作しており、業績は安定している。一方で危機感のない社員も多く、新しいことにチャレンジする風土に乏しい。若い内に多くを経験したい人には向いていない。福利厚生が大変良く営業以外は転勤も多くない為、配属先に依ってはマイペースで裕福に働くことができ、家庭を大切にしたい人やとにかく安定して生きたい人にとっては、とても魅力的な人生を提供してくれる会社。

<独立系メーカー>

NOKはトヨタや日産等の企業グループには所属しない独立系の自動車部品メーカー。こうした親会社が存在しないため、系列自動車部品メーカーによく見られる親会社への上納金(配当や経営指導料)もないし、親会社や銀行からの天下り役員もいない。悪く言えば、外部からの新しい文化が入っていないため、古い体質のまま。それにより良いところも悪いところもある。また、国内の完成車メーカー全てと取引の実績がある点は、独立系自動車部品メーカーの強みと言える。

<保守的>

企業体質は、一言で言うと「保守的」。新しい事業に挑戦してはいるが、ロール事業は壊滅的、FPC(フレキシブル基板)は顧客の状況に左右されすぎて安定した収益を上げられない。反面、創業から続くオイルシール事業やOリング事業は常に好調。業績がある程度安定している強みはあるが、半面で社員の危機感が薄く、保守的な風土になってしまっている。

<社内恋愛>

社内恋愛は非常に多い。会社内での研修(1、2年研修及び中堅研修等)が多いため、その場で知り合うこともしばしばあると聞く。また、社内に部活動やサークル活動もあり、異性と知り合うきっかけはたくさんある。結婚している社員の3分の1は社内での出会いだという事業所もある。

<社内イベント>

仲間意識が強いためか、会社や組合のイベントは多い(クリスマスパーティーや、スポーツ大会、夏祭りなど)。サークル活動も活発。イベントの参加は事前に参加可否確認があり、イベントそのものは参加自由だが、「なるべく参加しないといけない」という見えない強制力が働いている。集団で集まることが苦手な人は慣れないだろう。仕事よりも付き合いを大事にする一面もある会社なので、最近のドライな感じの若者にはあまり評判は良くないと聞く。

NOKの残業と休日出勤

<残業>

残業の多寡は部署による。残業が多い部署だと、プライベートは土日だけの状態。残業=美徳のような考えが少なからずある。但し、良くも悪くも温い会社なので、そんな超高負荷の職場は限られており、。残業時数3ケタが常態化している職場は少ない。大体の社員は自分の時間が取りやすい。サービス残業は一切なく、残業もした分はきちんとつけるよう指示される。但し、自己申告のため、サービス残業になってしまっている人は少なからずいる。

営業職は顧客ありきの業務となるため、ワーク・ライフバランスの調整が困難。フレックスタイム制度も導入されているが移動時間のカウント除外等、間違った使い方となっている事例も見受けられる。ノー残業デー、一日/月の有給取得等の案内は出ているが、これも強制力はなくあまり意味はない。

<有給休暇と休日出勤>

傾向として、女性は休みを取りやすいが男性は休みを取りにくい。上司にもよるが、休む理由を聞かれ、「なぜ休むのか」と問いただされることもある。体調不良で休むと、有休を予定していた日は休めなくなるケースも。ワーク・ライフバランスという言葉を知らない、知ろうとしない古い頭の上司は少なからず存在し、部下に「休むな」と言う上司すらいると聞く。とは言え、残業もメーカーの中では比較的少ない方なので、本人次第で長期休暇の調整はつきやすい。有休消化率は60%程度。

休日出勤は、間接部門はほとんどないが、直接部門は、繁忙期には休日出勤になることが多い。設計部署は多い傾向だが、申請した分の手当てはしっかりと支給される。長時間残業が続いている部署には労働組合から指摘が入るため、あまりにも理不尽な待遇等は基本的にない。夏季、冬季の連休は9日程度になるよう設定されおり、GW夏期冬期休暇もしっかり確保されているため旅行も行きやすい。