<NOKの強み>
NOKは国を代表する事業である自動車産業に深く関わっているので、他業界と比べて比較的安定している。また、大手完成車メーカーの系列会社ではない独立系メーカーであるため、特定の自動車メーカーに依存しているわけではなく、加えて、扱う製品は自動車部品だけではない為、自動車業界の動向だけに依存しなくて良いところも強みである。オイルシールというあらゆる産業に必要な製品で世界一のトップシェアを取っており、FPC等の分野の技術的に難しい市場においてもシェアトップ。その他アイアンラバーベルト、ソフトメタル等も製造しており、その技術力の高さには定評がある。業界の中でも非常に安定した地位にある。
<NOKの弱み>
オイルシールとFPC(フレキシブルサーキット)の二つの柱の後続の事業が全くないことが最大の弱み。FPC事業は、スマホ(主にアップル)等の乱降下が激しい市場の依存度が高い。現状、赤字になって潰れるような可能性は低いが、車の部品構造が大きく変わることや、ライバルメーカーの技術進歩による価格競争により、更なる競争の激化、シェア低下の可能性はあり得る。また、海外展開を目指しているが、人材育成が追い付いていない。海外への出向は特定の社員が何回も出向することになり、もっと語学力を中心にソフト面の底上げ・強化が必要となるだろう。
<オイルシール>
旧社名の「日本オイルシール工業」からも分かるように、NOK=オイルシールであり、蓄積したデータは他社を圧倒している。主力のオイルシールは自動車エンジンのオイル漏れを防止する役割を果たし、駆動部分に関わるコア技術であるため、今後自動車の電動化が進んでいっても、生き残る可能性は十分ある。しかしながら、他社との圧倒的な技術的優位性で勝負しているわけではなく、業績の拡大は新興国を中心とする自動車の市場拡大に頼るところが大きい。自社の技術でトレンドを作るのではなく、自動車業界の動向によって今後が左右されてしまうだろう。
<自動車産業のサプライヤー>
国内の完成車メーカーすべてと取引があるが、こちらから提案する機会はあまりなく、クライアントの要求ありきで仕様が決まる。サプライヤーの立場は、NOKのような独立系であってもやはり弱い。また、自動車産業はピラミッド式な構図が確立されているので、おのずと完成車メーカーの子会社的な存在となり、常にそれを意識しながら業務をすることになる。決してパートナーという立ち位置ではなく、指示された通りに動き、正確に対応する事が求められる。サプライヤーである以上、完成品メーカーより華やかで待遇の良い仕事はできない。会社の知名度が一般的にはあまりないため、残念ながら世間的な信用は得られにくい。NOKという社名からフィンランドの携帯電話メーカーであるノキア(Nokia)と間違えられることもある。また、自動車関連企業であるため、社員が交通事故・違反を起こした場合の罰則は非常に厳しい。
<事業展開>
NOKの製品は自動車産業の縁の下の力持ちとして業界を支えており、自動車産業ではなくてはならない存在となっている。総合部品メーカーとして業界では確固たる地位を築いており、自動車業界のみならず、電子業界、その他多くの業界へ裾野が広いのも特徴。日本メクトロンとイーグル工業という優良子会社を持っており、日本メクトロンはFPC国内トップ、世界市場でも上位に位置する企業、イーグル工業はメカニカルシール、特殊バルブの大手で自動車向け中心に船舶用や航空機用に強みを持つ上場企業。今後は特定の業界に特化するのではなく、幅広い事業展開を図っていく。
<国際化>
町工場から発達していったという歴史があり、独自の企業文化を持っている。かつての「日本オイルシール工業」という社名から今のNOKに社名を変更し、今やNOKグループの売上規模は部品メーカーとしては国内トップクラス。
規模拡大の過程で、国内だけでななく、タイなど海外にも多くの拠点・工場を保持するようになり、世界的なグローバル企業となった。しかし、新卒者は未だに日本人ばかり。語学研修も数ヶ月の駅前留学で終わり、決して充実しているとはいえない。国際化とは非常にかけ離れた企業体質。
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